【ワシントン=小雲規生】オバマ米大統領は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が27日に公開したインタビューで、日米など12カ国で交渉中の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、中国主導のルール作りを阻止するためにもTPPで自由貿易に関する高い水準を定めることが重要だとの見方を改めて示した。
オバマ氏はインタビューで、「われわれがルールを書かなければ、中国がアジアでのルールを書くだろう」と述べた。また、「われわれは中国が規模の大きさで他国をねじ伏せることを望まない」とも話し、中国が経済力の大きさを利用して米国に不利なルールを作ることを牽制した。
オバマ氏はさらに、28日に会談する日本の安倍晋三首相について、「大胆で積極的な」経済改革に取り組んできたと評価。そのうえで農産品の関税や自動車分野をめぐるTPPの日米協議には課題が残されているとし、安倍首相のワシントン滞在中にすべての交渉を完全に終えることは難しいとの見方を示した。