中国主導で設立を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)に50カ国以上が参加を表明したことで、アジア開発銀行(ADB)と並ぶ国際的な投資機関が誕生しようとしている。
日本でも加盟の是非について与野で議論が起きているが、あくまで日本政府は慎重な立場。AIIBへの出資の過半を占める中国が、環境や自然保護、人権に十分配慮した開発を行えるか確証を持てないからだ。実際、中国は自国内でさえ深刻な大気汚染が解決できず、希少動物の保護も徹底できていない。AIIBの議論で、改めてクローズアップされる中国の環境意識。どんな問題が報じられているのか。
「象牙」の密輸に関与を疑われ
国家をあげて手厚い保護がなされているパンダに比べて、ほかの希少動物の扱いはぞんざいな印象をぬぐえない。
象徴的なのが、牙が高価な置物や麻雀パイの材料にされる象。象牙の売買は、野生動物の取引ルールを定めたワシントン条約で厳しく制限されている。中国もワシントン条約の締結国だが、経済成長でお金持ちが増えて需要は増加。象牙の消費大国となる中、密漁や不当取引の温床になっているとの指摘がある。