万博パビリオンで“世界旅行” 面白くするにはどうすればいいか (3/3ページ)

2015.5.10 06:00

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 同じように「オープネス」がパビリオン実現に効果的であると話していたのは、中東のバーレーン館のディレクターだ。ミニマリズム的な建築空間のなかに小さな庭が散在している。そこにはオレンジやレモンの木々が植えてあり、嗅覚をやさしく刺激する。

 とてもア-ティスティックな見せ方である。国の文化を静かに、しかも丁寧に表現している。何よりもハードとコンテンツのバランスの良さが、訪れる人の気持ちを穏やかにしてくれる。人口およそ1300万人という小さな国であるからだけでなく、古代からハブとして生きてきた人々の「オープネス」が、この空間には漂っている。

 文化は他人の耳をもぎとる勢いで訴えるものではない。そういうことを、これらの2つのパビリオンは教えてくれる。

 世界の国のどのパビリオンもお金と手間をかけて一生懸命に演出を準備したのは分かる。それにどこの文化が優れどこの文化が劣るということもない。しかし、コンセプトの絞り方やメッセージの伝え方に優劣があまりにある。

 それは経済力やアートディレクターの力量の問題ではなく、このプロジェクトを実行するにあたっての(文化も含めた)内部事情を露呈させている、ということなのだ。それらを勘案しながら展示のコンテクストを読み込むと、万博見学はとてつもなく面白い世界旅行になる。

 ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

 安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

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