大阪都構想住民投票の結果を受け、記者会見で厳しい表情を見せる大阪維新の会代表の橋下徹市長=17日、大阪市【拡大】
--どういうことでしょうか
大阪維新の会が「大阪都構想の実現こそが、関西州につながる唯一の道」と主張するように、都構想が道州制の導入に向けたものであることは明らかです。分権型国家をつくることが無前提でよいことのように捉えられている節がありますが、幸福実現党はその考えに同意しません。全国各地で地域特性を存分に生かした魅力あふれる都市づくりが進んでいくことを望むものではありますが、道州制は日本の安全保障に影響を及ぼす可能性があることに注意を払うべきです。
明治維新期、「日本はこのままでは欧米列強の植民地になりかねない」という強い危機感もあって、幕藩体制を改め、中央集権国家を構築しました。現代のわが国も中朝の軍事的脅威に直面していますが、中央集権体制を維持し、外交・国防力を強めなければならないというのが、幸福実現党の考えです。
折しも、住民投票と同日の17日には、沖縄で米軍普天間基地の移設問題をめぐって反対派による大規模な集会が開かれるなど、国と県との対立が深まっています。辺野古への移設を進め、日米同盟による抑止力を維持すべきであるにもかかわらず、地方自治体の意向で、国の専権事項である安全保障問題が揺さぶられている状況をみても、地方の権限肥大化を招く道州制のもとでは、国家としての外交・安全保障政策などの遂行に困難が生じかねないことは明らかです。
中央集権打破の旗振り役の一人である橋下氏は、都構想否決により政界引退を表明しましたが、道州制を求める声は根強いことから、今後とも、その問題点を訴えていかねばならないと考えています。