政府が11日に提示した新成長戦略の骨子では、新たな高等教育機関の創設や従業員の能力向上に向けた研修強化など日本経済を支える人材力の底上げを目指す項目が並んだ。安倍晋三首相が「四半世紀ぶりの良好な状況」と評価する日本経済だが、人口減少時代に入る中、成長率を引き上げるには人材力の底上げに伴う生産性向上が待ったなしの状況だ。軌道に乗りつつある経済の足腰をさらに強化するためにも、政府主導での人材育成が不可避と判断した形だ。
安倍首相は会議で「ITへの投資や人的資本への投資でわが国の生産性を抜本的に高めていく必要がある」と強調、「イノベーションによって少子高齢化などの社会的課題と経済成長を同時に克服する」と述べた。
骨子で示された人材育成策では、人材確保と生産性向上に向けた施策が並んだ。人材確保面では、高度なスキルを持つ外国人人材の受け入れ促進と留学生の活躍支援などに取り組む。生産性向上面では、若者向けとしてITなど実践的な職業教育を行う高等教育機関の創設、中高年向けはキャリア支援を積極的に行う企業に対する財政面での支援などを盛り込んだ。いずれの施策も雇用と教育を一体的に連動させた取り組みで、人的資源への投資を望んでいた経済界の声を聞いたものといえる。