うねる反対運動
他の4県も同様の事態に陥っている。国が初めて候補地を提示したのは24年9月。根回しもなく、いきなり栃木県の処分場に矢板市の国有林野を指名した。同月内には茨城県で高萩市を選定した。
だが、地元の反対運動のうねりが広がり、住民説明会の実施もままならず、白紙撤回を余儀なくされた苦い経験がある。このため、国は遅まきながら25年2月、各県で市町村長との協議の場を設けて意思疎通を図り、専門家による評価も踏まえて候補地を提示する新たな方針を示した。
宮城県では3カ所を候補地として詳細調査に入ったが、地元の反発でボーリングなどの本格調査には移行できていない。栃木県では、新たに選定された塩谷町の住民による激しい反対運動が繰り広げられ、調査実施の見通しは立っていない。茨城、群馬両県では、候補地の提示すらできていない状況だ。
福島で国有化、支援策も
こうした厳しい現状を踏まえ、国は今月5日、福島県内の指定廃棄物の処分について、富岡町内の既存の処理施設を国有化して処分場とする方針を示した。
「民間への業務委託では安心できない」との地元の声に応えたもので、交付金の創設など地域振興策も合わせて提示し、同町の宮本皓一町長は「国有化は(住民の)安心確保に不可欠」と評価した。