今後の地元議会への説明や住民の合意形成など課題はあるが、指定廃棄物の保管量が約13万2千トンと最も多い福島県で計画が実現すれば、大きな進展となる。
一方で、時間の経過とともに指定廃棄物を一時保管している容器の劣化や腐食の不安があり、豪雨や台風などによる放射性物質の飛散のリスクも高まる。
環境省の担当者は「いずれの地域についても停滞は許されない。可能な限り迅速に、その中でも丁寧に対応していくことで前進したい」と話している。
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【用語解説】指定廃棄物
福島第1原発事故により飛散した放射性物質を含む稲わらや焼却灰などで、濃度が1キロ当たり8千~10万ベクレルのものを環境相が指定する。現在、12都県で一時保管しており、国は福島に加え、廃棄物の量が多かった宮城、栃木、茨城、千葉、群馬の各県に1カ所ずつ処分場を造る方針。環境省は当初、処分場を「最終処分場」としていたが、今年4月に「長期管理施設」と名称変更した。福島で出た10万ベクレル超の廃棄物は県内の中間貯蔵施設に保管し、30年以内に県外の最終処分場に移す。