これらの事業に関わる莫大(ばくだい)なインフラ投資には、当然、AIIBの役割が期待される。
◆貿易地図に影響も
さらに、中国の企業は数年前から中米のニカラグアで巨大新運河建設に着手している。大西洋と太平洋をつなぐ第2の運河であり、しかも、パナマ運河より幅が広く、水深も深く、大型船舶の通過が可能となれば、経済波及効果は大きいことが想像できる。この場合の資金調達は恐らく中国がブラジル、ロシア、インド、南アフリカのBRICS諸国に呼びかけて設立した、いわゆる「BRICS銀行」が担うことになる。
こうして、一見すると相関性がなくバラバラに見えても、中国が各地で手掛ける大規模事業には世界貿易地図を塗り替えかねない勢いがある。
中国が世界で行う事業はだいたい軍事的野心の疑いをもたれるが、純粋に経済面をみれば、上述の大事業は世界貿易に資するだけでなく、その構築だけでも莫大な資金需要を生み、日本のような先進国には巨大な商機をもたらすはずだ。
そのため、日本もAIIB参加問題をはじめ、中国との付き合い方を是々非々の原則で考え直し、日本の国益にかなう場合には米国の意向に関わらず、協力もいとわないという主体性と柔軟な姿勢が必要となろう。