中国、アジアインフラ投資に「3本目の矢」 “質の日本”に資金量で対抗 (2/2ページ)

2015.6.26 06:30

 既に中国人民銀行(中央銀行)が昨年末、外貨準備高を切り崩して設定した400億ドルのシルクロード基金があり、4月にはパキスタンの発電所向けにドル建て融資を決めた。これらの投資ファンドは習近平指導部の独断で投融資案件を即決即断できるため、インフラ建設の環境評価や軍事転用リスクなどに国際社会の監視の目が届かない。

 中国財政省が中心となって57カ国の創設メンバーとの調整をほぼ終えたAIIBは、資本金1000億ドルのうち中国が財政支出で約298億ドルを出資し、国際金融機関の体裁を整えながらも運営上の拒否権を握る。

 中国主導の3つの資金母体の資金量を合計すると約1900億ドルとなる。日本はADBの支援額も積み増し、案件の採算性なども十分に勘案しながら「質の高いインフラ投資」を目指すとしているが、規模では見劣りする。量の中国と質の日本。広域アジアを舞台にした競合の構図が浮き上がってきた。(上海 河崎真澄)

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