初めての訪中から帰国し、支持者の出迎えを受けるアウン・サン・スー・チー氏。政治手腕と関係なく、熱狂的に支持する人は多い=14日、ヤンゴン国際空港(AP)【拡大】
◆不完全な外国人規定
議会に提出された改正案は大統領の資格要件を定めた第59条と第60条、非常時に大統領権限を軍司令官に委譲することなどを定めた第418条、そして憲法改正には連邦議会議員の75%の賛成が必要と定めた第436条の4条項を対象としている。このうち、NLDとスー・チー氏が特に問題視しているのが、第59条と第436条だ。
第59条では「大統領の候補者は本人、両親、配偶者だけでなく、子供とその配偶者も外国人であってはならない」としているが、改正案はこのうち子供の配偶者については対象から外すというものだ。また、第436条については、必要な賛成の割合を75%から70%へと減らすことが提案されている。
かつて、ミン・スエ・ヤンゴン地域首相が副大統領に指名されることが内定したものの、その後、娘の配偶者がオーストラリア人だったために、副大統領になれなかったことがある。政府や与党連邦団結発展党(USDP)、軍の高級幹部の中には同様に子供が外国人と結婚している例も多いとされ、この修正はミン・スエ氏のような例を防ぐ狙いがあるようだ。
しかし、スー・チー氏の場合、英国人の夫は既に亡くなっているが、2人の子供は英国籍で、この条項にひっかかるため、全面見直しを要求している。
一方、連邦議会では上下両院ともに軍司令官が指名する軍人議員が25%ずつを占めており、現状の第436条では軍人議員の賛成を得られない限り、憲法改正は一切できない。改正案は、賛成の割合を70%に減らすことで軍の影響力を減らす姿勢を示すものだ。だが、NLD側は軍人枠を除く3分の2の賛成か、軍人議員を含めた場合は過半数の賛成にするよう求めている。