【高論卓説】縮む首都圏の処方箋 地域を愛する人々の創意が鍵 田部康喜 (2/2ページ)

2015.6.30 05:00

 提言をじっくり読むとき、大規模な団地の中で高齢者が活動できる場所をつくることや、若年者を住まわせる工夫など、地域の再生についても触れている。

 花見川団地からバスに乗って、区を横断するようにしてJR総武線新検見川駅近くの住宅街に着く。3階建ての堅牢(けんろう)な住宅の中に、その小さなオペラホールはある。

 設計事務所に勤めていた建築士の大澤ミカさんが、オペラの魅力に引き込まれて自宅2階に85席のホールを作り、公演を続けてから15年になる。

 この日の上演は「ドン・パスクワーレ」。金持ちの叔父とおい、その恋人の未亡人が絡む喜劇である。恋人と組んで叔父の財産を狙うおいと、人のいい叔父の駆け引きが笑いをとる。客席には子供たちから親、シニアも含めて満席だった。3幕の物語は面白く、カーテンコールが幾度もあった。

 「地域にオペラの魅力を伝えたい。これがきっかけとなって、千葉に音楽大学を招致したい」と、大澤さんは語る。

 縮みゆく首都圏の課題はあまりにも大きい。その処方箋は、地域を愛する人々の創意の中にある。

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【プロフィル】田部康喜

 たべ・こうき シンクタンク代表 東北大法卒。ソフトバンク広報室長などを経て現職。60歳。福島県出身。

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