だが、アテネ中心のシンタグマ(憲法)広場ではその前夜、国民投票で「オヒ(ギリシャ語でノー)」の票を投じた政権派の市民ら約6千人が「われわれはEUに反対の声をあげる恐怖に打ち勝った」と、“勝利”に酔っていた。
青と白のギリシャの国旗を振り、手をつなぎ、抱き合って踊る若者たちの姿が目立つ。民主制を生んだ古代ギリシャの伝統を意識してか、「世界に民主主義の力を示した」といった声も聞かれた。
「政府はEUから譲歩を得られると確信している」というのが、財政再建策を拒否した国民に共通する楽観論だった。
しかし、EU側は厳しい姿勢を崩していない。現金流出による銀行の倒産を防ぐため、政府が1週間前に導入した資本規制を解除できる見通しは立っておらず、国民の間ではむしろ「ユーロ圏離脱」が現実味を帯びて語られつつある。