【ワシントン=小雲規生】2016年の米大統領選で、民主党の最有力候補とされるヒラリー・クリントン前国務長官は13日、ニューヨーク州での経済政策に関する演説で「成長と公正の両方が必要だ」と述べ、経済成長と賃上げによる格差是正の両立を目指す立場を強調した。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)については、高い水準の内容を求めながらも、明確は賛否は示さなかった。
クリントン氏は演説で、医療や子育て、介護にかかる費用は賃金よりも速いペースで上がっているとし、最低賃金引き上げの重要性を指摘。企業寄りで最低賃金引き上げに慎重だと批判される共和党候補との違いをアピールした。
クリントン氏はそのうえで「強い経済成長は雇用増を意味する」とも話し、中小企業を優遇する税制改正などで企業活動を後押しする姿勢を示した。さらに女性が働きやすい社会の創設も打ち出し、育児などのための有給休暇制度の拡充の必要性を訴えた。
一方、TPPなどの自由貿易協定については、「雇用増、賃上げ、安全保障の促進につながらなければ、交渉の席を立つ用意もすべきだ」と発言。民主党の支持基盤である労働組合などが、TPPへの「反対」を強めていることに配慮したかたちだ。
ただし交渉中の内容への賛否は明らかにしておらず、「TPPなどに明確な反対は示さなかった」(米紙ワシントン・ポスト)とみられている。