糸口つかめぬ新薬
交渉の現状はどうなっているのか。
TPPの協定文31章のうち「終了」か「ほぼ終了」に分類されるのは税関・貿易円滑化や競争政策、越境サービスなど17章。首席交渉官会合での決着が見込まれるのが、物品市場アクセス(関税)のルール部分や原産地規則、政府調達など8章だ。難航しているのは、知的財産や国有企業など4章。決着は閣僚会合での政治判断に委ねられる。
なかでも知的財産では、新薬の開発データの保護期間をめぐる対立は打開の糸口がつかめていない。
有力な新薬メーカーを多く抱える米国は保護期間を12年にするよう要求。安価な後発薬を普及させたいマレーシアなど新興国やオーストラリア、ニュージーランドは5年以下を主張している。特に、国民の薬代を国費で助成している豪州やニュージーランドは財政負担の増大を懸念し、徹底抗戦の構えを崩していない。
日本は8年を落としどころとしたい考えだが、「米国も政治力の強い医薬品業界が12年を実現するよう政府に対し強硬に圧力をかけており、足して2で割れば済むという状況ではない」(交渉筋)という。