「模擬金融政策決定会合」で、中学生の意見に耳を傾ける黒田東彦総裁(右)=28日、日銀本店【拡大】
「意見を出し合って結論に結びつけることが重要。今後の社会生活にも役立てて」-。日銀の黒田東彦総裁は28日に開いた夏休み子供特別見学会の「模擬金融政策決定会合」にサプライズ登場しエールを送った。黒田総裁の出席は事前に知らされておらず、参加者からは歓声が上がった。
模擬決定会合は、中学生約30人が、株価下落で富裕層の消費不振▽都心部で地価上昇の動き-など4つのニュースから景気を判断し、緩和や引き締めなどの金融政策を決めるという高度な内容。
子供たちは「株価が下がっているので景気は悪くなる。緩和すべきだ」「地価が上がりすぎるとバブルになるので引き締めるべきだ」などと主張した。
意見が割れる中、議長として飛び入り参加した黒田総裁は現状維持を提案し、賛成多数で可決された。黒田総裁はあいさつで「それぞれのニュースを深く分析し、経済の動きをよく考えた意見が多かった」と評価した。