マレーシアとの2国間協議に臨む甘利TPP担当相(左)=29日、米ハワイ州ラハイナ(共同)【拡大】
米ハワイ州のマウイ島で開かれているTPP交渉の閣僚会合の雲行きが怪しくなっている。今回で「最後の閣僚会合」(甘利明TPP担当相)にするはずだったが、最も難航している知的財産は依然、対立解消のめどが立たず、交渉の新たなブレーキとしてマレーシアやメキシコが浮上してきた。会合は残り2日となったが、その帰趨(きすう)はなお見えてこない。
「あと2日間で間に合うかどうか、まだなんともいえない」。甘利氏は29日の会合終了後、記者団に今回の会合で大筋合意に達するかどうかについてこう述べ、会合前に比べて「厳しい感じを新たにした点もある」と表情を曇らせた。知的財産のうち新薬データの保護期間に関しては参加国間に「まだかなり大きな隔たりがある」と明かした。
新薬データの保護期間をめぐっては、有力な新薬メーカーを多く抱える米国が保護期間を12年にするよう求めるのに対し安価な後発薬を普及させたい新興国やオーストラリア、ニュージーランドは5年以下を主張してきた。米国がここにきて軟化し、7、8年で決着するとの見方もあるが、豪州が歩み寄りに強い抵抗感を示しているもようだ。