アリババは、ネット通販サイトの「Tモール」などを運営し、「アリペイ」という独自の決済システムをてこに成長してきた。一方クレジットカード決済システムが外資に開放されたのは今年6月からで、それまでは中国銀聯が独占してきた。独自の決済システムを持たない外資のネット通販企業は苦戦を強いられてきた。Tモールが消費者向けネット通販市場で60%近いシェアを持つのに対し、中国アマゾンのシェアは1.5%にすぎない(中国電子商務研究センター調べ)。
中国のネット産業は、GFWで守られた一種のガラパゴス市場の中で発展してきたといえそうだ。ただ、このガラパゴス市場、規模が大きく外資にとっても魅力的でもある。そろそろ世界第2位の経済大国にふさわしい、よりオープンな市場へと「長城」の高さを調整すべき時期が来ているのではないだろうか。
【プロフィル】森山博之
もりやま・ひろゆき 早大卒。旭化成広報室、同社北京事務所長(2007年7月~13年3月)などを経て、14年より旭リサーチセンター、遼寧中旭智業有限公司 主幹研究員、57歳。大阪府出身。