【インタビュー】「新潟103号」を新たなブランド米に (1/2ページ)

2015.8.7 05:00

 □新潟県農林水産部長・目黒千早さん(57)

 --新潟県農業総合研究所がコメの新品種「新潟103号」を開発した狙いは

 「将来的に気候の温暖化が進行すると、新潟県でコシヒカリの品質を維持していくのは難しくなる。新潟103号は、高温下での生育でも高品質でおいしい。嗜好(しこう)の多様化からコシヒカリだけでは物足りなく感じる消費者もいる。それが他県産の『つや姫』や『ゆめぴりか』が消費者に受け入れられている理由だ。新潟にも高品質米の領域で新たなブランド米が必要だと考えており、新潟103号をコシヒカリと並ぶブランド米に育てていく」

 --新潟103号の特徴は

 「コシヒカリより大粒で甘さとコクの数値が高い。粘りもあってほぐれやすく、冷めても十分な甘味とコクがあり、おいしく食べられる。おにぎりにも向いている」

 --農家のメリットは

 「生産面でもコシヒカリ1種類だと刈り取りなどの作業が一時期に集中する。工業製品は単一品目の集中製造の方がコストが安くなるが、農産物はそうではない。コシヒカリだけを10カ所の水田で生産すると、刈り取りのときに10カ所分の農機が必要になる。品種に適した刈り取り時期に収穫しないと品質が劣化してしまう。新潟103号はコシヒカリよりも熟期が1週間程度遅いので、作業時期を分散できる。気象変動や病害虫によるリスクも1品種に依存しているのと比べて軽減できる」

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