【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(28) (3/3ページ)

2015.8.7 05:00

農業実習生のミョーさんが作ったスイカやニンジンも並ぶJA富里の産直センター=千葉県富里市(筆者撮影)

農業実習生のミョーさんが作ったスイカやニンジンも並ぶJA富里の産直センター=千葉県富里市(筆者撮影)【拡大】

 日本での農業実習は、日本人が嫌うほど重労働で、収入の季節変動もあって、ミャンマー人にとっても、決して理想的な就業と言えるものではない。だが、ミョーさんやソオさんは恵まれた部類に入る。

 彼らの郷里の村人たちの半数以上は農地を保有せず、多くは日給5000チャット(約510円)ほどで農家に雇われ、月に15日から20日程度の雇用機会しかない農業労働者である。彼らには日本に行くための大金を仲介業者に支払うことなど不可能である。そのような多額の借金をかき集めることもできない。

 彼らが外国で働くとしたら、非公式なルートでタイやマレーシアに亘(わた)り、より過酷で高リスクで低賃金の労働をするしかない。事実そのような人々が彼らの郷里では急増しているという。外国での就労も、ミャンマー農村内部の経済格差を反映したものとなっているのである。

 日本で技術を習得し、資金も貯(た)めた彼らが、郷里に技術を移転し、農村内の雇用機会を拡大することになるのかどうかは、まだ定かではない。

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