中国・上海株式市場の総合指数急落で、日本市場でも株価が乱高下している。政府・日銀は「日本の実体経済は悪くない」として、引き続き市場の動きを注視する構えだが、不安定な株価が個人消費や企業活動に影響を及ぼせば、日銀による追加金融緩和や、補正予算による経済対策を発動する可能性も現実味を帯びてくる。
「荒い値動きだ」。麻生太郎財務相は25日の閣議後会見で、日経平均株価の振れ幅が1000円を超える乱高下に懸念を示した。甘利明経済再生担当相も「中国発、世界同時株安の様相」として中国経済の先行きを不安視する。
政府が神経をとがらせるのも円安・株高こそアベノミクスを軌道に乗せた原動力との認識があるためだ。輸出関連企業を中心に業績を回復させ、春闘で2年連続の大幅な賃上げにつながったのも円安・株高の後押しがあってこそ。世界経済が不透明感を増せば、日本経済の回復シナリオに水を差しかねない。