会見を終え、会見場をあとにする日銀の黒田東彦総裁=9月15日、東京・日銀本店(早坂洋祐撮影)【拡大】
これに対し、黒田総裁は「米利上げの可能性に懸念を示す新興国は少なくなっている」などと繰り返した。世界銀行や国際通貨基金(IMF)が米国に対し、慎重な判断を求めているのとは対照的な発言だ。
日銀はこの日、新興国経済の減速を理由に、国内の輸出と生産の景気判断も下方修正した。これについても、黒田総裁は「企業収益は過去最高水準」とし、企業が設備投資や賃上げにお金を回す動きは弱まっていないとの見方を強調。7~9月期の実質国内総生産(GDP)が「プラス成長に戻ってもおかしくない」とも語った。
こうした黒田総裁の発言について、SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「中国・新興国経済の鈍化に円高、原油安と外部環境は悪くなっている。今の市場の感覚からすると楽観的だ」と違和感を指摘する。8月の貿易統計や鉱工業生産指数など、今後出てくる経済指標によっては、黒田総裁の強気路線も修正を迫られる可能性がある。