貴州省遵義市で8月、イベント会場で一般の人たちに白酒の利き酒のやり方を披露する利き酒師。地域に深く根ざした白酒メーカーにも改革の波が訪れている(中国新聞社)【拡大】
四川省の白酒(中国の蒸留酒)メーカーが(国有企業などが民間資本を受け入れて株主構造を多様化する)「混合所有制改革」を集中的に行っている。企業改革の専門家である、西南財経大学経済信息(情報)工程学院の霍偉東院長は、この改革を評価した上で「こうした改革は(シンガポールの政府系投資会社)テマセク・ホールディングスを参考にできる」との考えを示した。
◆市場原理を重視
「テマセク式」とは、マクロ経済や国有資産については政府が管理し、ミクロ面の運営や管理面では民間企業としての意思決定を行うというもの。中国では、国務院国有資産監督管理委員会(国資委)か政府が主導する国有資本管理会社が資本を管理し、企業運営はプロの経営者が市場感覚で決めていくことになる。全てが市場原理に委ねられ、厳格な制度は全てに適用される。
四川省が今年5月末に、省内の白酒メーカーの国有企業改革や混合所有制改革を推進する「白酒産業のモデル転換・高度化による健全発展を促進する指導意見」を発表して以来、宜賓五糧液や瀘州老窖(ろしゅうろうこう)股●、四川沱牌舎得酒業、四川水井坊といった省内の上場白酒メーカーは、相次いで自ら改革を開始。そのうち五糧液は株式の取引を停止した。
白酒マーケティングの専門家、楊承平氏は「こうした改革は当然のことであり、政府が掲げた『民進国退』戦略に沿ったもの。民間資本の導入は避けられない」とした上で、「五糧液が(改革前に)苦境に陥ったのは、長い間、企業統治体制に問題があったため。(8月に)主力商品の値上げを行ったのも、市場のルールを無視した中での決定だ」と指摘する。
沱牌舎得も今年中の改革実施が期待される。同社の筆頭株主である四川省遂寧市射洪県政府は今年初め、沱牌舎得の株式の38.78%を(同省成都にある財産権取引所の)西南聯合産権交易所に公開。これまで2回にわたる延期を経て、4社全ての株式公開が実現した。