自民、公明両党が、消費税率を10%に増税する際の負担軽減策の修正案を模索している。自民党は増税分の一部を後で払い戻す「還付制度」案について、国民の不安が強い税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度と連動させない仕組みの検討に入った。公明党は、生活必需品の消費税率を抑える「軽減税率」の修正案をまとめる。与党の協議は折り合う気配がなく、議論の行方は混沌(こんとん)としている。
「ほぼ共通認識はできたと思う」。自民党税制調査会の野田毅会長は、18日の税調会合後に還付制度案の党内調整の手応えを語った。
この日の会合では、還付制度への慎重な意見が大勢だった先週末の会合から一転し、「軽減税率より実現性がある」と賛意が相次いだ。軽減税率は中小事業者の納税事務負担が増え、増税で確保するはずの社会保障財源に穴が開くなどの懸念があるからだ。
一方で、「マイナンバーカードの評判が悪い」と声も上がった。還付金を受けるにはカードを店頭の端末にかざし、購買額に応じたポイントを獲得して、後でインターネットで手続きする。カードが前提の仕組みに国民の抵抗感は強い。