TPP交渉、小麦特別輸入枠新設で調整 米加豪に20万トン想定 (1/2ページ)

2015.10.1 07:12

TPP閣僚会合を前に記者の質問に答える甘利TPP相=9月29日、米アトランタ(共同)

TPP閣僚会合を前に記者の質問に答える甘利TPP相=9月29日、米アトランタ(共同)【拡大】

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、日本が米国とカナダ、オーストラリアに対し小麦の特別輸入枠を新設する方向で調整していることが9月29日(日本時間30日)、分かった。規模は20万トン程度を想定している。大麦にも同様の輸入枠を数万トン設ける。日本に輸入拡大を求める3カ国を優遇することで、譲歩を促したい考えだ。30日午後(同1日未明)に開幕する閣僚会合で決着を図る。

 小麦と大麦は日本にとってコメなどと並ぶ重要農産品5分野の1つ。1993年に合意した関税貿易一般協定(ガット)の多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の結果、政府が一定の枠内(小麦で年間574万トン、大麦で同137万トン)で国家貿易として一元的に輸入を管理している。この枠外での輸入には小麦で1キロ55円、大麦で同39円の関税をかけている。

 TPP交渉では、国家貿易の枠内で、事実上の関税に当たる輸入差益を発効から8年で45%削減する案がほぼ固まっている。

輸入差益は政府が製粉会社などへ転売する際に…

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