TPP交渉が閣僚会合で大筋合意し、共同記者会見する甘利明TPP担当相(左から3人目)ら各国代表=5日、米アトランタ(共同)【拡大】
■環境保護や労働条件 貿易策と両立目指す
投資を促そうとする参加国が、環境や労働に関する基準を緩和しないようにする規定を設けた。貿易政策だけでなく、環境保護や労働条件との両立を確保する狙いだ。
環境規定は既存の経済連携協定(EPA)に含まれないことも多く、「21世紀型」と呼ばれる新しい分野とされる。
環境分野では、乱獲につながるような漁業補助金の制限や、野生の動植物の保全に関するルールづくりが想定される。環境問題に対処する際の各国の対応力の強化を促した。
労働分野では、国際労働機関(ILO)宣言が示した「団体交渉権の実効的承認」や「強制労働の撤廃」といった権利を脅かすような対応を取らないように求める方向だ。
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■公共事業の入札開放 日本企業の受注増も
政府機関による公共事業や資材の発注額が一定の規模以上の場合には、外国の企業にも入札を開放する。
TPP交渉参加国のうちマレーシアやベトナム、ブルネイでは、公共事業の入札などで日本企業の参加機会を初めて定めた。これらの新興国では道路や橋などインフラ関連の需要が伸びており、日本企業にとって受注機会の増加につながりそうだ。
新興国のインフラ投資をめぐっては、中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を主導して影響力を強めている。日米には、TPPを活用して中国に対抗する狙いもあるとみられる。
交渉参加国のうち日本や米国など5カ国は、世界貿易機関(WTO)の政府調達協定に加盟し、海外企業に門戸を開いている。しかし残る7カ国は未加盟のため、日本などが協定に準ずる共通ルールの導入を求めていた。