中国人民元の百元紙幣(共同)【拡大】
【台北=河崎真澄】中国の人民元が貿易や対外投資の決済に使われる通貨として今年8月、単月ベースで初めて日本円を上回ったことが、銀行間ネットワークを運営する国際銀行間通信協会(SWIFT)の調べで7日までに分かった。
通貨別の代金決済シェアで、人民元は8月に2.79%と日本円の2.76%をわずかに逆転。米ドル、ユーロ、英ポンドに次ぐ「第4の国際通貨」にのし上がった。中国人民銀行(中央銀行)が8月に実施した事実上の元切り下げ措置の影響で、決済上の比率が高まった可能性もあるという。
SWIFTによると、元の決済シェアは2012年8月には0.84%で第12位だった。その後、中国による元決済の規制緩和で、製造業や物流業などサプライチェーンが広がっている東南アジア諸国連合(ASEAN)や欧州を中心に、元建ての取引が急増した。
一方で世界経済に占める日本の比重が下がって、円の決済通貨としての地位も相対的に低下し始めた。
習近平指導部は経済的な対外影響力を強めようと元の国際化を急いでいる。
その過程で中国は、ドル依存経済の低減に向けた長期的な戦略目標の一環として、現在はドル、ユーロとポンド、円の4通貨で構成される国際通貨基金(IMF)のSDR(特別引き出し権)に元を追加するようさまざまな外交圧力をかけている。
決済比率もSDR構成通貨の基準になることから、今後さらに圧力を強める可能性がある。
ただ、中国は元の外国為替市場で当局の管理下に置く変則的な変動相場制を続けているほか、国境をまたぐ資本勘定の取引も自由化されていない。
国際通貨と認められるまでには高い壁がなお残されており、習指導部がいかに通貨政策を見直すかがカギになる。