2020年東京五輪・パラリンピック開催を控え、受動喫煙対策が課題となっている【拡大】
葉タバコ栽培は、被災地の東北地方にも従事する農家が多く、自民党の有力な支持基盤。JT株売却が見送られたのも、政府の関与が薄れることで、国産葉タバコの全量買い取りが難しくなることに対する農家の不安が考慮された格好だ。財務省の財政制度等審議会の報告書では、「(年間約700億円の)配当金収入を考えれば直ちに売却するのは得策ではない」との文言が盛り込まれた。
増税による税収面での影響を懸念する意見もある。たばこ税は毎年2兆円を超え、地方税収分でも1兆円をたたき出す貴重な財源。税率を引き上げれば一見、税収増にもつながりそうだが、ここ最近の増税と税収の関係をみると、増税直後は税収増となるものの、翌年以降も消費量が減り続けることで、数年で増税前の水準まで落ち込んでいる。財務省は「長期的な視野に立った措置が必要」と強調する。
文科省は「今回の要望が通らない場合、来年度以降の要望も検討する可能性がある」と長期戦も辞さない構えだ。政府関係者は「新国立競技場をめぐる一連の騒動もあり、五輪関連のテーマでこれ以上の国際的評価の低下を避けたいのだろう」と、文科省の立場を代弁している。(佐久間修志)