10日に還付制度を推した自民党の野田毅税制調査会長の「更迭」が固まり、軽減税率への議論一本化が事実上、決定。野田氏を引き継ぐ宮沢洋一前経済産業相は旧大蔵省出身ながら、安倍晋三首相が主導した法人税減税を推進した経緯があり、軽減税率導入に向けた公明党との調整を急ぐことになる。
自民、公明両党は中断していた与党協議を月内にも再開する見込み。ただ制度導入に向けては対象品目の線引きや代替財源など課題が山積する。公明案の一つ「酒類と外食を除く飲食料品」の税率を8%に据え置く場合、減収額が1兆円程度に上る。しかも、軽減税率の実現には、事業者が税率や税額を記載したインボイス(税額票)と呼ばれる請求書の導入が必要とされる。事務負担の増大を敬遠する経済界などからの理解を得られるかも焦点だ。