安倍晋三首相は14日、自民党税制調査会長に就任した宮沢洋一前経済産業相と官邸で会談し、2017年4月の10%への消費税増税と同時の軽減税率導入を検討するよう指示した。財務省の還付制度案は撤回されることで最終決着した。首相指示を受け、膠着(こうちゃく)状態だった与党の税制協議は加速する見通し。幅広い飲食料品を軽減対象する公明党案を軸に議論されるが、中小事業者の事務負担増加を懸念する自民党内には慎重論も残るなど、軽減税率導入の実現には「3つのハードル」が待ち構えている。
対象品目と財源
公明党案は、「酒類を除く」または「酒類と外食を除く」飲食料品を対象品目にしている。幅広い飲食料品の税率を現行の8%に抑え、消費者の痛税感を和らげるためだ。
ただ、これらの品目に軽減税率を適用すれば年間1兆~1兆3000億円の税収減になる。8%時の負担軽減策である給付措置の財源は約5000億円で、自民党や財務省の税収減への懸念は強い。公明党からは、品目を絞らずに「高級品は税率を上げるなど高所得者向けの税制を見直し財源に充てる」との声も上がるが対象品目と財源をめぐる与党内の調整は難航も予想される。