環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)では、参加12カ国の投資やサービスなど国によって異なるルールが一定のルールに統一され、企業や消費者は海外活動で幅広い恩恵を受けられる。マレーシアやベトナムなどの新興国を中心に規制は大幅に減り、日本企業は海外進出がしやすくなる。国境の垣根が低くなり、参加国内での人やモノ、カネの行き来が活発化するのは間違いない。
「(まだ進出していない)マレーシアは有望なフロンティア。規制がなくなるなら歓迎だ」。コンビニエンスストア大手、ファミリーマートの中山勇社長は、TPP交渉の大筋合意で得たメリットの大きさを強調する。
大筋合意により、マレーシアではこれまで認められていなかったコンビニへの外国資本の出資が可能になり、ベトナムでは協定発効5年後に外資系小売業の2店目以降の出店を政府の審査なしにできる。国内での出店は既に飽和状態で余地が狭まる中、海外を新たな収益源としたいコンビニ各社は、協定発効後を視野に出店戦略を急ぐ。
TPPでは電子商取引や金融、電気通信サービスのルールが整備されることで、企業だけでなく消費者も利益を享受できそうだ。