日銀は30日に開く金融政策決定会合で、原油安や新興国経済の失速を踏まえ、2%の物価目標の達成時期について、これまでの「2016年度前半ごろ」から半年先送りする方向だ。また、大規模金融緩和の導入から2年半が過ぎたため、「2年程度で2%」という表現も見直す。
今回の会合では、半年ごとに公表する「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)をまとめる。これまで16年度の成長率を1.5%、物価上昇率1.9%としてきた見通しをそれぞれ小幅に引き下げる。
中国経済の失速の影響によりアジア向け輸出が弱含んでいるほか、長引く原油安で物価の伸びが停滞しているためだ。
決定会合では2%達成のタイミングについて、「16年度後半ごろ」「16年度を中心とする期間」などの表現を検討。これに合わせて、「2年程度」についても「できるだけ早く」など年数を示さない修正案が有力視されている。
ただ、17年度は「消費税再増税で個人消費が抑制され、増税分を除く物価上昇が弱まる」(幹部)可能性がある。