自民、公明両党の税制調査会は30日、それぞれ会合を開き、消費税の軽減税率導入に伴う税収減を補う代替財源として、低所得者の医療や介護の自己負担額を抑える「総合合算制度」の見送りで浮く約4000億円を充てることを確認した。ただ、社会保障分野で低所得者に確実に恩恵が及ぶはずだった総合合算に比べ、軽減税率だと低所得者だけでなく富裕層にも軽減効果が及ぶ。このため、幅広い品目を対象にしなければ、低所得者への恩恵が限定的になるという課題も抱えた。
与党が軽減税率の財源に充てる総合合算は、2012年に民主、自民、公明の三党合意で決めた「社会保障と税の一体改革」で、導入の方向性が示された。制度の詳細は決まっていなかったものの、世帯の社会保障の自己負担額が上限に達した場合、それを上回る分を還元する仕組みが想定されていた。例えば、世帯の上限が年10万円に設定されていた場合、10万9000円を支出したケースでは9000円が戻る。そうなると低所得者の負担緩和効果は大きくなる。
これに対し軽減税率は、収入の多い少ないにかかわらず、あまねく全ての人が負担軽減の恩恵を受けられる。消費の支出に占める食料品の割合が高い低所得者には対象品目を広げれば恩恵が及ぶが、対象品目が少ないと、低所得者の負担軽減効果は薄れる。