農林水産省は4日開かれた自民党の会合で、大筋合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に伴う国内の畜産や水産、林産物計19品目の影響分析を公表した。輸入関税を大幅に削減する牛・豚肉や、撤廃する魚介類など15品目で「国産価格の下落」を懸念。全ての品目で経営体質や競争力の強化が必要との考えを示した。
今回は、10月29日に示したコメ、麦、果物などに続き、主な畜産・林産・水産分野への影響分析を公表した。
牛・豚肉や乳製品は関税撤廃の例外を求めた重要5分野に含まれるが、関税率が段階的に引き下げられる。農水省は長期の削減期間の確保や、緊急輸入制限(セーフガード)などの措置を講じることで、「当面、輸入の急増は見込みがたい」とみている。しかし、長期的には輸入品との競合で国産価格が下落する恐れがあるとし、生産コストの削減や品質向上など国産の優位性確保に向けた体質強化を求めている。