ＴＰＰ首脳会合、参加国呼び込み日米主導　アジア貿易圏拡大で中国牽制 (1/2ページ)

　アジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）の首脳会議に先立ち、環太平洋戦略的経済連携協定（ＴＰＰ）の首脳会合を開催したのは、アジア太平洋地域の貿易自由化や経済ルール作りの実現に向け、日米が主導するＴＰＰの意義を強調する狙いがある。ＴＰＰ参加に前向きな東南アジア各国の参加を呼び込み、貿易圏拡大への布石とするつもりだ。そこには台頭する中国を牽制（けんせい）する意味合いも強い。

　「ＴＰＰの大筋合意を受けて他のＡＰＥＣメンバーの関心も高まっている。その輪を広げていくことはアジア太平洋地域の安定にも資するものである」

　１８日にフィリピン・マニラで開催したＴＰＰ首脳会合で、安倍晋三首相はＴＰＰ参加国を拡大していく重要性を強調した。

　会合では他国の首脳からも、「ＴＰＰへの新規加盟に向けた協力や話し合いも推進すべきだ」との進言もあり、ＴＰＰの貿易圏拡大に向けて連携していくことを確認。同日のＴＰＰ首脳声明では「ＴＰＰを通して、われわれが世界で最も早く成長し、新しく魅力的なモデルを創造している」と明記した。

ＡＰＥＣに参加している東南アジアを中心に、ＴＰＰへの関心は高まっている