政府が9日開いた「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」の初会合で、安倍晋三首相は「(東京、名古屋、京都、大阪をつなぐ)ゴールデンルートだけでなく各地の魅力と世界のニーズを結び付ける」と強調した。同会議は訪日客をさらに増やす具体策を今年度内にまとめる方針で、地方空港の着陸料引き下げもその一環となる見通しだ。
民間では、JTB西日本(大阪市)が来年1月、京都府内の農園で高級ナシを収穫し、日本海のカニや温泉も楽しむ「産地連携ツアー」を始める。流通大手のイオンやヤマト運輸と組み、各地の特産品をアジアの富裕層などに紹介。関心を持った人をツアーに呼び込む仕掛けだ。来年度は30コースを設ける計画で、担当者は「質が高い農水産物と体験型の旅行を組み合わせ、地方の宿泊・観光施設にリピーターを送り込みたい」と狙う。(山沢義徳)