すでに利用者減や路線の廃止、運行本数の減少といったサービス水準の低下は進み始めている。国土交通白書が1990年と2013年の輸送人員の比較を紹介しているが、バスは35%減、地域鉄道は22%減だ。2011年度の国交省調査によれば、公共交通の空白地域は可住地面積の30%を占め、空白地人口は735万人に上った。
公共交通機関の縮小傾向は、地方において自家用車が手放せない状況を作り出し、結果として駐車スペースが豊富な郊外型開発が続くことになる。だが、人口減少社会では無秩序に郊外に広がる町づくりは続かない。自家用車をタクシー代わりにするアイデアも浮上しているが、高齢化が深刻化する地域で定着するかは未知数だ。
コンパクト化と連動で
公共交通機関の衰退は、政府が少子高齢化や人口減少の有力な対応策として描くコンパクトな町づくり構想を進める上でも阻害要因となる。構想は核となる市に人口の集約を図ることで「にぎわい」を維持し、行政や公共サービスを効率的に展開しようというものだが、市内各地や周辺自治体からのアクセスが便利でなければ進まない。