和歌山県有田市で収穫を待つミカンを手にする酒井能章さん=10月【拡大】
田辺市でミカン約20トンやウメなどを生産する原拓生さん(47)は「TPPがミカンの消費の在り方を見直す機会になれば」と受け止めている。「家庭でミカンを食べなくなった。国産ミカンはピーク時の4分の1以下になり、このままでは先がない。消費者の胃袋の取り合いは、オレンジだけが相手ではない」と、TPPとは関係なく厳しい状況にあると指摘する。
新たな品種の栽培や東京のレストランとの連携など、農家の個性を押し出してきた。産直で頻繁に購入してくれる顧客約200人とつながる。「量と価格の勝負になれば太刀打ちできない。少ない生産量だからこそできる方法で、価値を高め戦うしかない」と話す。
皮が薄くてむきやすく、甘みの強い国産ミカンは、オレンジと直接は競合しないとの見方もある。関西地盤の小売店関係者は「輸入果実が売れるのは国内産が品薄になる夏で、一定のすみ分けはできている。関税撤廃がどの程度価格に反映するのかはまだ不透明だ」と明かした。