19日、ナイロビでのWTO閣僚会議閉幕式に出席するアゼベド事務局長(左)と議長を務めたケニアのアミナ・モハメド外相(共同)【拡大】
15日から始まった会議は会期を1日延長したが、19日に採択した閣僚宣言は途上国の“継続論”と先進国の“新枠組み論”の併記にとどまった。
2001年に始まったドーハ交渉はWTOに加盟する160以上の国・地域が参加。だが、先進国と途上国の対立で交渉は決裂と再開を繰り返し、14年に税関手続きを簡素化する貿易円滑化協定を採択したくらいしか具体的な成果はないのが実情だ。
代わりに主流となったのが2国間や多国間の通商交渉で、特に日米欧は巨大自由貿易協定(メガFTA)と呼ばれる広域の経済連携を重視している。
今回の会議で、先進国がドーハ交渉に見切りをつけようとしたのも、10月に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が大筋合意した影響が大きいようだ。特に米国は「もはやドーハを必要とみていない」(先進国交渉筋)とみられる。
インドのシタラマン商工相は、閉幕式で交渉継続で一致しなかったことに「強い失望」を表明したが、「脱ドーハ」の動きが鮮明になった感は否めない。(西村利也)