16日、利上げ決定後にワシントンで記者会見するFRBのイエレン議長(AP)【拡大】
■米利上げで「ボラティリティー上昇」
15、16日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2006年以来、9年半ぶりとなる政策金利の引き上げが決まった。直前の金利先物市場を見ると、市場参加者の8割方が利上げを予想しており、サプライズのない発表だったが、発表後の週末にかけて米株式相場は続落した。
◆数字に表れぬ懸念
金融危機以降の世界各国が量的緩和を推進する中で、米連邦準備制度理事会(FRB)が「イチ抜け」でゼロ金利政策から脱出するが、今のところ、市場の反応は芳しくない。
政策金利の誘導目標は金融危機だった08年からゼロ水準にあったが、米労働省が今月4日に発表した11月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が21万1000人増となり、市場予想だった20万人増を上回った。
失業率も7年半ぶりの低水準となる5.0%に落ち着き、金融危機のピークから半分の水準だ。数字を見る限り、「もう金融危機後ではない」のだ。
FRBのジャネット・イエレン議長は経済成長への自信を見せており、「金融政策の正常化(利上げ)を必要以上に遅らせてしまうと、当局(FRB)は急激なペースで金融政策を引き締めざるを得なくなる可能性が高い」としている。
今回の政策金利引き上げは0.25%にとどまったが、労働市場の需給が引き締まることで、賃金への上方圧力が期待される。このため、「16年のFRBは4半期ごとに0.25%ほど利上げする」というのがエコノミストの通説だ。