軽減税率を含む与党税制改正大綱について記者会見する公明党の斉藤鉄夫税調会長、自民党の宮沢洋一税調会長(左から)=16日、国会【拡大】
--減税には、「財源はどうするのか」との議論が出てきますが
減税に伴う財源論も重要でしょうが、税収中立にとらわれていては、経済活性化のための思い切った手は打てません。
2016年に29.97%に引き下げることが決定した法人減税もしかりです。その財源として、政府は外形標準課税の拡大などで確保する方針です。税の公平性に沿うものではあるのでしょうが、課税強化による赤字企業の負担増や、今後、中小企業へ波及しないかなどが心配されています。
やはり、個人や企業といった民間部門がこの国の活力の源泉であるという当たり前の事実を見逃してはならないのではないでしょうか。歳出の見直しなどを図りつつも、基本的には、大胆な減税を先行し、民間活力の発揮を促すことを通じて経済を活性化させ、税収増を実現すべきだと考えます。
また、官邸サイドが法人税率を予定より前倒しして20%台に引き下げた背景には、アベノミクスが奮わないなか、法人税の減税を材料に、経済界に対して設備投資拡大や賃上げを求める狙いがあるとみられます。
しかし、これは道理に合いません。「日本の繁栄は絶対に揺らがない」という未来への確信が持ててこそ、企業も設備投資などを増加させることができるというものです。圧力をかけたりするのではなく、民間主導の持続的な成長を可能とする環境整備に尽力するのが政府の役割です。
消費増税やマイナンバー制度など、安倍政権の政策運営は自由の抑圧をもたらすものとして、看過できません。減税や徹底的な規制緩和といった「自由からの繁栄」を目指した政策実施こそが必要なのだと考えます。