AIIBは人民元建ての資金を活用するしかない。元は16年10月から国際通貨基金(IMF)・特別引き出し権(SDR)構成通貨入りする予定だが、元や株式の相場は暴落不安がつきまとうし、金融市場は閉鎖的だ。貴重なエネルギー資源の代金を使い勝手が悪い通貨で受け取るのはばかげている。プーチン大統領としても元建ての取引には慎重になるだろう。
ワシントンの金融政策によって追い込まれるプーチン政権はウクライナ、中東でこれまで以上に武力にものを言わせようとするのか。習政権は米利上げというデフレ圧力によって膨れ上がる巨大企業債務の重圧の中で、破れかぶれのダンピング輸出攻勢をかけるのか。あるいは、対米協調に転じてワシントンの警戒を解こうとするのだろうか。