南シナ海の領有権問題をめぐり、中国政府に抗議するフィリピンの人々。アキノ政権はAIIB署名に踏み切った=マニラ首都圏(AP)【拡大】
フィリピンは、インフラの未発達が経済成長の妨げになっているとされ、アジア開発銀行(ADB)では2010~20年のインフラ整備に必要な総額を1271億ドルと試算していた。こうした流れを受け、アキノ政権はPPPによる重要なインフラ整備事業55件を指定し、10年7月から現在までに12件、総額2174億ペソ(約5326億円)の契約を結んできた。
今回の署名に関して、産業界などからは肯定的な意見が上がっている。フィリピン商工会議所(PCCI)のチュア名誉会頭は、長期的にみて雇用増など公共部門のみならず民間部門にもプラスになるとし「政治的な対立があるにもかかわらず署名を決断したアキノ大統領を評価すべきだ」と述べた。
また、カマチョ元財務相も「インフラ整備に必要な資金の調達先が増えるのは国益にかなう」と述べ、世界銀行やADBなどとの連携とともにAIIBとも良好な関係を築くべきだとの考えを示した。
一方、フィリピン大学の経済学者は署名を評価しつつも、アキノ政権と中国政府の関係が好転したわけではないと指摘。フィリピンでAIIBに関する具体的な動きがみられるのは今年6月に予定されるフィリピン新政権の発足以降になるとの見解を示した。(シンガポール支局)