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日米は運営上の透明性への懸念からAIIB参加を見送ったが、「日本だけは認識が甘い」(中国の金融当局者)との厳しい指摘がある。米国は世銀の元北京事務所長デビッド・ダラー氏をAIIB事務局に送り込み、内部情報にアクセスできる態勢を作ったが、日本は蚊帳の外だからだ。
現状では、加盟国以外でも自由に応札して受注が可能なアンタイド方式をとるAIIBの案件に、日本企業が参加する機会もキャッチしにくい。AIIBが検討するインフラ建設が将来的に軍事転用される恐れはないか、人権侵害や環境破壊を引き起こさないかといった、リスク情報も日本は得るのが非常に難しい。
アジア開発銀行(ADB)や政府開発援助(ODA)などで長年の実績と経験をもつ日本がAIIB参加を急ぐ理由はどこにもない。だが、「オバマ政権は水面下でAIIBをめぐる米中協力関係の構築にも着手し始めたようだ」(アナリスト)との気になる未確認情報も流れている。
ただ、AIIB初代総裁に選出された中国の元財政次官で、ADB副総裁を歴任した金立群氏は、AIIB成功の難易度を最もよく理解している人物。ADB総裁だった黒田東彦日銀総裁とも懇意な金氏は、3月までに訪日し、協力の道を模索すると伝えられる。