北京の釣魚台迎賓館で行われたアジアインフラ投資銀行の開業式典=16日(共同)【拡大】
ただ、安倍晋三政権がインフラ輸出を成長戦略の柱の一つに掲げる中、AIIB不参加が海外受注の制約になるとの懸念も市場から聞かれる。AIIBは道路や発電所の建設などに資金提供するが、それら出資案件の情報を入手できないためだ。そこで、日本はアジア開発銀行(ADB)などの協調融資を通じたAIIBへの関与を模索。環境やガバナンスに問題があれば事前に修正を求め、案件から手を引くことも可能だ。
AIIBを牛耳る中国に取り込まれた欧州に対し、距離を置く日米。思惑が絡み合い、主要国の綱引きは激しくなりそうだ。
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この連載は、上海 河崎真澄、シンガポール 吉村英輝、ベルリン 宮下日出男、モスクワ 黒川信雄、ワシントン 小雲規生、今井裕治が担当しました。