【高論卓説】GPIF運用体制抜本見直しを (2/2ページ)

2016.1.28 05:00

 ポートフォリオを見直さなければ、日本株を買うことができないところに達していたのだ。見直しの結果、昨年6月末では日本株の割合は23.4%にまで達した。

 デフレから脱却してインフレ型の経済になるとすれば、債券運用よりも株式運用に理があるのは確かだ。そういう意味では安倍内閣の方針は首尾一貫している。

 だが、問題は債券から株式へのシフトを国民が納得しているのかどうか。株価の変動で年金資産が増減することを受け入れているのか。そのコンセンサスづくりを政府が十分にしたとはいえない。だから株が下がって目先の損失が出ると批判を浴びるのだ。

 もう一つは国債と違って株式は銘柄の数も多い。リスク管理は格段に難度を増す。ポートフォリオ見直しと「車の両輪」だったはずのGPIFの組織見直しは遅々として進んでいない。理事長が最終方針を決める独任制から、運用や経済のプロによる合議制への移行案が打ち出されているが、法改正のめどは立たない。

 その一方で、GPIFが、運用会社を通さずに自身で直接株式を買う「インハウス運用」の開始にこだわっている。非公開企業への投資など、よりリスク管理が難しい投資に年金資産を回すことにも熱心だ。

 そもそも135兆円に上る国民の資産を、一つの組織に任せ、一人の運用担当理事に任せることこそが、最大のリスクだ。GPIFの組織見直しだけでなく、年金運用体制の抜本的な見直しを真剣に考えないと、国民の「虎の子」は守れない。

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【プロフィル】磯山友幸

 いそやま・ともゆき 早大政経卒。日本経済新聞社で24年間記者を務め2011年に独立。53歳。

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