■「革命」議論も生む政権の無策
ロシアには体制転換が必要であり、場合によっては破局が待ち受けている-。こんな議論がかまびすしくなってきた。反体制派だけでなく、定評ある学者や知識人、メディアまでもがそう語り始めている。
プーチン露大統領の政敵として約10年間を獄中で過ごした元石油王、ホドルコフスキー氏=国外在住=は昨年末、政権による民主主義破壊を「反憲法クーデター」とし、合法的な政権交代の可能性が奪われている以上、「革命」は避けられないと述べた。
政治学者のベルコフスキー氏は、ラジオ番組でロシアのシリア介入に触れ、この軍事作戦の泥沼化が「1年半ほどでプーチン大統領の退場と国の再編に至る」と予測した。
国際政治学者のトレーニン氏も新聞寄稿で、「経済と統治のモデルを変えるにはエリートの再編が不可欠だ」と指摘。上から改革を行う「政治的意思」が足りなければ、帝政ロシア末期と同様に、対外的危機が「国の崩壊」をもたらし得ると警告した。
こうした論調が出てくるのは、多くの人が今のロシアに閉塞(へいそく)感を抱き、現状を「システム危機」と認識しているためだ。ロシア経済があまりに国際原油価格に依存していることが、その本質にほかならない。
原油価格は2014年夏以降に約3分の1となり、露通貨ルーブルもそれに同調して1ドル=35ルーブルから同80ルーブル前後の水準まで暴落。昨年の国内総生産(GDP、速報値)は前年比3.7%減と6年ぶりのマイナス成長となった。石油高騰期に蓄積した国家基金は、予算の赤字穴埋めで年内に底をつく可能性すら出ている。