第1、2次のプーチン政権期にあたる2000~07年、ロシアのGDPは年平均で約7%の伸びを見せ、主要新興国としてBRICSの一角にも名を連ねた。しかし、この高度成長は、1999年に1バレル=20ドルだった原油価格が、2008年に同100ドルの水準まで上昇したのと軌を一にしたものだった。
問題は、政権が油価上昇の恩恵を効率的な投資や十分な備蓄に回さず、いわばバラマキに使ってしまったことにある。政権がこの間に、政治と経済の両面で国家統制を推し進めたことも見逃せない。
プーチン政権下で議会や司法といった国家の基本制度は形骸化し、経済に占める国営セクターの比重は増加。地方が中央からの交付金に依存する構図も強まった。その半面、輸出に占める石油・天然ガス収入の割合は1999年の40%から2014年の70%に上昇し、資源依存は一層進んだ。
経済がもはや発展の原動力を失っていたところに、ウクライナ問題をめぐる欧米の制裁と原油価格の下落が重なったのが現状だ。
地方では給与遅配などの問題も目立ち始めており、財政難に伴う抗議機運がじわじわと高まっていくのは確実だ。それにもかかわらず、政権が本格的な改革を打ち出す気配はない。油価上昇と欧米の制裁緩和だけを当てにしている政権の無策ぶりが、不穏な先行きを感じさせるのだ。(産経新聞モスクワ支局 遠藤良介)