1リットル当たり100円を切るガソリンスタンドの価格表示=2日、東京都世田谷区【拡大】
価格を比較する民間の情報サイトによると、岩手、茨城、三重、愛媛、沖縄の各県などで100円を切る給油所が出現した。製油所が減っている地域は輸送費がかさんで価格が割高になるが、量販店などが安売り攻勢をかける地域では値下がりが加速している。
灯油も18リットル当たり1112円となり、08年のピークから約1270円下がった。灯油を多く使う寒冷地では家計のメリットが大きい。
原油に連動して決まる電気・ガス料金も低下が続く。大手の電力10社とガス4社はいずれも、今年2月と3月の料金を引き下げた。東京電力の場合、3月は7315円とピークから1200円以上値下がりした。
旅行費用も節約できそうだ。航空運賃に上乗せされる国際線の燃油サーチャージは、日本と北米を結ぶ路線で昨年1月発券分が片道2万1000円だったのが、現在は7000円で、4月分から「ゼロになる見通し」(大手航空)。行楽シーズンに追い風となりそうだ。
SMBC日興証券の渡辺浩志シニアエコノミストは「原油安で家計に余裕が出て消費に回れば、景気の浮揚効果がある」と話す。ただ、原油価格は今年半ばから上昇に転じるとの予想もあり「家計の下支えがあるうちに成長戦略を官民で加速し、持続的な賃上げにつなげることが必要だ」と指摘している。