ただ、マイナスの長期金利が定着するかどうかは見解が割れる。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「満期までの残存期間が10年を超す国債の利回りにも低下圧力がかかり、10年国債の利回りはゼロから下の水準で定着するのでは」と指摘。これに対し、SMBC日興証券の竹山氏は「すぐには定着しないのではないか。変動率が高く、日銀以外の国債の買い手が限られると思われる水準まで金利が低下しており、きっかけ次第では金利が急上昇する可能性もある」とした。
株式相場は軟調な地合いが続きそうだ。最近の株安の背景には、原油安や中国経済の減速などに加え「日本企業の業績が芳しくないという面もある」とニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは話す。その上で井出氏は、日経平均株価が直近の安値をつけた1月21日(終値1万6017円26銭)と同水準まで市場心理が悪化すれば1万5000円まで下落する可能性があるとみる。
為替相場についても円高基調を懸念する声がある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の松本光正シニア投資ストラテジストは「原油安や中国経済の減速などに加え、欧州で一部の金融機関の信用力に対する懸念が浮上したことも足元の急速な円高の背景となっている。リスクの焦点が変わってきた」と指摘。1ドル=113円まで一段の円高ドル安に振れる可能性があるとみている。
混乱が収まるきっかけとして注目が集まるのは、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が10、11両日に行う議会証言だ。ニッセイ基礎研究所の井出氏は「イエレン議長が『市場寄り』の発言をすることが、足元の動揺を落ち着かせる上で必要条件になるだろう」との見方を示す。