世界経済の減速でコンテナの荷動きは鈍っている(AP)【拡大】
財務省が18日発表した1月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出は、前年同月比12.9%減の5兆3516億円で、4カ月連続で前年を下回った。世界経済の減速を背景に輸出の低迷が浮き彫りになった形だ。輸入は燃料価格の下落に伴って、18.0%減の5兆9976億円で、13カ月連続の減少。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6459億円の赤字で、2カ月ぶりのマイナスとなった。
輸出は米国、欧州連合(EU)、アジア向けでいずれも振るわなかった。2月の中国の春節(旧正月)が今年は前年より10日以上早く、1月下旬に企業が輸出を手控える季節要因も響いた。減少幅はリーマン・ショックの影響が残る2009年10月(23.2%減)以来、6年3カ月ぶりの大きさ。第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは「中国・新興国経済の低迷や、米国の鈍化で世界経済は下振れリスクがあり、輸出は心配だ」と指摘する。
鉄鋼は31.3%減、石油製品などの有機化合物は24.0%減で、中国向け輸出は17.5%の大幅減。輸出の実勢を示す輸出数量指数は、9.1%減と7カ月連続のマイナスで、13年2月(12.8%減)以来の落ち込み幅だった。